山崎さんが…来てない…?
何で?昨日確かに、舜の部屋に夕飯作りに行くって言ってたはず。
「聞き間違えたんじゃねぇの」
「そんな事ないよ。だって…帰りにスーパー寄るって…」
「昨日一緒に帰ったの?」
何でそこに突っかかるのか、天然で鈍感なあたしには分かるはずもなかった。
「う…ん、寮まで」
あたしがそう言うと、舜はあたしにスタスタと近付いてきた。
そのまま、いつものように壁に押し付けられるあたし。
「…っ」
顔は勿論、真っ赤。なはず。
「わざと?俺をイラつかせたくてわざと言ってんの?」
「…な、にが…?」
「わざわざ言わなくてもいいとこ言うのって、わざとだろ?」
両腕を掴まれて、あたしは身動きが出来ずにいた。
整った綺麗な顔。
こんな時まで見とれてしまう。
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