無理矢理俺を立ち上がらせ腕を掴んだまま廊下を歩き出した恵藤。
「手離してくれません?」
「あぁ、わりぃ」
まるでタメに話してるみたいな口調で俺に話す恵藤は、今時の髪型で誰が見てもホストにしか思えない格好だった。
ほんとに先生なのかよ。
口調といい態度といい、まるで同級生に話してんような口振りだもんな。
「雨宮んちの会社で働いてんだろ?山崎って」
「…何で知ってんですか」
「俺の高校の後輩なんだよ」
初耳なんだけど、山崎さんが恵藤の高校の後輩とか。
聞いたことすらないし、まさか、そんな共通点があるなんて知らなかった。
─────………
────……
「…舜? 帰んないの?」
ホームルームも終わり放課後になったが、実紅が俺を待ってたから何故か違和感があった。
いつもは約束なんかしてなくても自然にそのまま2人で帰ってたけど、山崎さんが来た以上帰れないのかと思った。
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