中庭で寝てる状態の俺の真上から顔を出したのは、涼介だった。
久しぶりに見る涼介は、別人のように黒く焼けていた。
「今度はどんな悩み事? この涼介様が聞いてやろう」
「別に」
「悪い悪い。…で?何でもいいから聞いてやるよ」
最初は話さなかったけど、涼介の流れに乗せられて、勝手に口が動いて喋りだしていた。
「…マジか」
涼介は今まで以上に真剣な顔になり俺の隣で胡座(アグラ)をかいた。
そして、いつものように、涼介からは女物の香水の匂いがした。
…こいつ、さっきまで女と一緒だったな。
かなりキツい香水の匂いだから、ギャルとかケバい女がタイプになったに違いない。
涼介はいつもタイプがコロコロ変わるから。
「いい加減に女遊び止めろよ」
急に話を変えた俺を、涼介は驚きながら二度見くらいした。
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