怒りは余計に悪化し、俺のイラつきは最高潮まで達していた。
…なに話してんだよ。
気になっても、どうせくだらないことだろうと耳を傾けなかった。
それにしても遅い。
後ろを向くと、そこには楽しそうに話す実紅と山崎さんがいた。
「…っ」
嫉妬は怖い。
こんなにも人を変えてしまう。
別に触れられてるわけでもねぇのにイラつきは止まない。
思わず舌打ちしてしまう。
その舌打ちを目にした下校途中の女子は目を丸くしながら俺を驚いたように見ていた。
あぁ、めんど。
もう全てが、めんどくなる。
「じゃあね」
「は、はいっ//」
得意の王子様スマイルで言ってやると、その女子は顔を赤くしながら帰っていった。
「やっぱ、あの雨宮くんが舌打ちなんかするわけないよー」
「幻聴だよー!」
問題も解決。
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