数分適当にビキニの格好で砂浜を歩いてると、二人組の男子に声をかけられた。
「…あれ?1人?」
「だったら、俺らと遊ぶ?」
これは、ナンパ?
ってことは、舜はわざとビキニの格好をさせて
変な狼が寄ってくるのを、あたしに気付かせたかったの?
だから、試すなんて言ったんだ。
……って、肝心の舜が居ないじゃない!
あたしがナンパされて連れ去られて終わりですか!?
「…おい」
でも後ろから聞こえた声で、すぐに安心した。
「あ?なんだてめぇ」
「てめぇこそ誰だよ。人の女に手出してんじゃねぇよ」
一つ低いトーンで喋る舜は、イラついてるというほどの怒りっぷりではなかった。
自分であたしにビキニの格好で歩けって言ったくせに。
ほんとに、何を考えてるかわかんない。
「あぁいうのが寄ってくんだよ」
まだイラついたような声で呟いてる舜を見て、少し可愛いなって思ってしまった。
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