いつもいつも、自分の気分で周りを振りまわして…。
ほんと、疲れる。
「ねー…舜、教えてくれるんじゃないの?」
ソファについには、ダルそうに横たわりだした狼王子様。
あたしには、さっぱり行動の真相が読めない。
いや、誰でも読めないと思う。
読める人がいたら、この世界中を飛び回ってでも見てみたい。
彼女のあたしが話し掛けているにも関わらず、無視するこの人の心を読める人がいるならば。
ていうか、無視は結構傷つく。
かなり傷つくよ。
分かってよ、舜。
視線を送っていたら、舜と目が合った。
…っ…。
急に、何だよ。
目が合ったら合ったで、恥ずかしくて逸らしてしまう。
「なに逸らしてんだよ」
勝手に目を合わせてきたのは、そっちからでしょーがっ!
しかも、不機嫌だし。
「見とれといて、逸らすんだ?」
スクっと静かに起き上がりソファに座り直した舜は、またあたしと目を合わせた。
「…っ」
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