なにを、言ってるのよ舜は。


キスなんか、あたしからなんかしたら絶対に舜が襲ってくるに決まってるじゃないですか。



あたしから、キスなんかするわけないでしょ。



「…んだよ、しねぇの?」



少し残念そうな、不満そうな顔をして、あたしの顔を覗き込み続けた。



やっぱり顔が近いのはいつになっても慣れることはない。



だって、舜の瞳にあたしが映ってるのが見えるから正直いって恥ずかしいんだよね。



息づかいも、なんとなく、お互いのが伝わっちゃうし…。



離れてほしくて、勇気を持って、はっきり言ってやった。




「は、離れてよ、バカ」



しかし、咬んでしまったあげく、おまけに“バカ”と、余計なことを付け足してしまった。



舜の表情が、大魔王になった。




「バカ?…てか、離れねぇよ?まだ、お仕置きが残ってるし」


「…っ」


「あと、バカにバカって、言われたくねぇ」




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