たしかに咬む癖はあるかもしれないよ、けどね?
何でそのことを、舜が知ってるのかが、そこが問題じゃない?
それとも、あたしが分かりやすいだけなのか?
「…ん、」
「っな、なに」
舜の口元がニヤッとした。
これは、狼注意報だ。
「知ってんから、俺にキスすんのが罰ゲームだってことぐらい」
「…っは?!」
「島田本人から、聞いたし」
奈留めー…っ!てか、口が軽すぎなんだよっ!
普通、キスする相手に罰ゲームの内容を言う人がこの世の中にいるっていうの?
って、いたんだよね。
あたしの、すぐ傍に。
すると、さらに舜の顔があたしに近付いてきた。
「だから、していーよ?」
「…え?」
その時の舜の表情には、悪魔という名の狼と、俺様という名の男が隠れていた。
真面目に、ヤバい。
「…キス…」
.