「ねえねえ、杉本と同じクラスだよ!?」
「どうしよ~」
「ダメもとで告ってみる」


杉本は中学校で初めて知った人だった。
2つの小学校から生徒が集まるこのマンモス中学校では、全く顔も名前も知らない子と、同じクラスになることは、珍しくない。

杉本は私と別の小学校出身で、中学に入るなり、うちの小学校出身の女子から、「あの人誰!?」コールと、ちょっとしたブームが巻き起こった。


男子にしても、それは面白くないだろうと思われたが、杉本は見事にみんなの心をつかんで、男女からの人気者となったのだ。


短めの黒い髪。
大きめの瞳は魅力たっぷり。
笑うと太陽が雲から出てきたみたい。


いつだって、クラスの笑顔の中心には、杉本がいた。