あの日から何日もたったはずなのに彼の事ばかり考えてて、
自分が駄目になるって分かった。

けど、
この思いは止められず、苦しむしかなかった。


彼女は罪悪感を感じていたみたいで、“恋”以外の話しかしなくなった。
それが私にも辛くて悔しくて・・・

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

心で何回も叫んでた・・・


そんな時、きみにであった。


きみは駅の近くで詩を書いていた。
自分の作った詩を並べて売ったり、人に話を聞いてその言葉を元に詩を作って渡していた。

私は彼じゃないと思った。
私の中の彼とは掛け離れていて、全く違う人だった。


「お客さん、どうしました?」


きみが私に話しかけて来た。
私が余りにも見ていたから興味が有るように思ったのだろう。

「何でもないです。」


私は一言だけ行ってきみから逃げた。
逃げなきゃいけないと咄嗟に感じてしまった。
失礼な話だけど身体全体がきみに近付いてはいけないと騒いでいた。
自分が壊れてしまうと、今迄の自分が無くなると騒いでいた。
今の自分を変えたいと思っているのに勇気が無くて・・・


「恐いですか?」


きみの声。
私を見透かす様に一言音になった。
だけど、私は振り向く事も答える事もできなくて、
そのまま逃げ出した。