「あんたそれで恋人いないわけじゃないでしょうね?」

彼女の言葉は痛かった。
私が恋に恐怖心があるのは、このせいだし、
どんな人に出会って惹かれても、 私は彼を思い出していた。

「そーだとしたら、重傷だよ?」

「ごめん・・・」

謝るしかなかった。
どう言っていいのか分からなかった。

「電話だって来なかったんでしょ?連絡網あるんだから分かるだろうし。」

電話なんて一度もない。
手紙だって一通も来ない。

「分かってる!分かってるよ!!」

自分でもビックリした。
気が付いたら怒鳴ってて、泣きそうで、馬鹿みたい。

「ごめん、責めてるつもりじゃないよ、ただあんたがそれじゃ・・・」
「ごめん・・・もう止めよう。」


分かってる。
彼女は私を心配してくれてる事も、正しい事も。
ただ、まだ私は夢を見てるんだ。
彼を好きなままなら、いつか実るって。

馬鹿みたい。
そんな事ドラマの中だけなのにね・・・