「うんっ。用意終わったから!今行くー!」
スクバに筆記用具を詰め込み、部屋を出ていく。
あたしたちには、なるべくごはんはそろって「いただきます」が習慣。
下に降りて行くと、
「遅くなってゴメンナサイ」
とあやまってから、ごはんを食べた。
ただ今の時刻、7時30分。
はぁ……。もうすぐ行かなきゃ。
「んじゃ、行ってきまーす!」
マナエが元気よく、家から出ていく。
今日は9月1日で始業式だからか、いつもはしていかないネクタイを今日はきちんとしている。
マナエを見送ってしばらくすると、あたしも新しい学校へ行くためにカバンを持って立ち上がった。
「……行ってきます」
マナエとは反対に、暗いオーラ全開のあたしに、おばあちゃんは明るく言った。
「行ってらっしゃい!きっといいことがあるよ。
新しい学校、楽しみだね」
おばあちゃんの言葉に、弱々しい笑顔を見せてから外へ出た。
「ふぅ……。今日もあっついなぁ……」
まだ9月の初めは、夏の暑さがしっかりと残っている。
だから余計、足取りがおも~い……。