【お前ではない、
 オレの名は、サイハーク…
 そこに居る、ブコンの兄だ…】

サイハークは、
 氷の様な瞳で、こちらを見ている…

『あっ!?
 あん時の殺気…お前だったのか??』

ガモンの顔が、強張る…

【知らんな…それよりブコン、
 こんなカスに負けるとは…情けない…】

『何だって!?
 誰がカスだっ!!!』

ガモンは怒りのまま、
 サイハークに殴り掛かる…

「あっ!?
 ヤメるダギャ!!!」

ブコンが、そう叫ぶと…

《 バギッ!!! 》

『うっ!!!…』

ガモンの拳は簡単にかわされ、
 逆にサイハークの拳が、
 ガモンの腹部に…

【くだらん…その程度のチカラで…
 マスターに会うには…弱すぎる…】

そう言い残し、
 サイハークは、
 その場から去って行った……


『ゲホッ…ゲホッ…』

ガモンは腹部を抱え、苦しんでいる…

「だ、大丈夫ダギャ??
 だから、ヤメろって言ったダギャ…」