「なぁガモン、
 広場まで競争するダギャ!!」

『いきなり!?…何でだよ??』

「とにかく、やるダギャ!!
 よ〜い…ドンッ!!!」

ブコンは、
 フライング気味に、走り出した…

『あっ!?汚ねっ!!!』

ガモンも少し遅れて、
 ブコンを追い駆ける……


『ハァハァ…俺の勝ちだ…
 ブコンお前、足遅すぎだろ(笑)』

「ゼェゼェ…そんな事ないダギャ!!…
 ワシは、これでも…コソベーナで、
 2番目の速さダギャ!!…
 ただスタミナが…
 足りないだけ…ダギャ」

ブコンは、
 肩で息をしながら、そう言った…

『そうなの??
 だって、ブコン獣族だろ!?
 それって、致命傷だろ(笑)
 じゃあ、誰が1番なんだ??』

【オレだ…】

ガモンのすぐ後ろで、声がした…

『えっ!?誰だっ!!!』

ガモンが振り向くと、
 そこには、
 黒いタテガミの男が立っていた…

「あ、兄貴!!」

ブコンは少し怯えながらも、そう言った…

『兄貴だって??
 お前、ブコンの兄貴なのか??』