このルールはくだらないと思っていたけれど、心をほぐす効果があるらしい。


これをきっかけに、ぼくたちは会話のリズムを上手く取り戻すことができた。


「タワーからの景色、覚えてる?」


『ええ』


「京都は碁盤の目みたいだったよね?」


『そうね』


「だったら、涼子は必ず、またここへ戻ってこなきゃね」


ここで、彼女は首を傾げた。