「…やっぱり陽依ちゃん、いい子だわ。困ったことがあったらなんでも言って!」
千尋先生は私を見て笑いながらそう言ってくれた。
「ありがとうございます!」
私も千尋先生を見て思わず笑顔になった。
「…で、拓海、みんなは?陽依ちゃんのこと、ちゃんと説明したいんだけど。」
千尋先生が拓海さんを見て聞く。
「多分リビングにいるよ。みんな、竜太郎に付き合わされてポーカーしてる。」
「そ。じゃあ行くわよ。」
そう言うなり、千尋先生はスタスタと寮の先へと進んで行ってしまった。
「陽依ちゃんも行こ?」
拓海さんに促されて、私はおずおずと足を進める。
「あの、拓海さん。」
「たっくんって呼んで?みんなそうだから。」
「じゃあ、たっくん…。」
私が呼ぶと、拓海…たっくんは、にこりと笑った。
「この寮には、何人の人が住んでるの?」
「俺も含めて今は6人、かな。」
そう言っているうちに、大きな部屋の前にたどり着いた。