涼子は生身の人間でも真は幽霊。




この恋に続きが無いことを二人は知っていた。




そしてこの恋にハッピーエンドが用意されてないことも知っている。




「この先、ずっと一緒にいれないよね」
真は涼子に言った。




涼子は悲しそうに笑いながら真を見つめた。





「先のことは考えてないよ。いま二人でいられることがうれしいの。」





「猫と犬が恋したっていいじゃない。人生一度よ。一番一緒にいたいと思う人と一秒でも一緒にいたいわ。」




真は涙が止まらなかった。涼子を抱きしめることさえ、触れることすら出来なかったからだ。





「真に触れられなくても、私の側にいてくれるだけで幸せだよ。」





この恋はきっとハッピーエンドもバットエンドもないけど、恋は確かに始まっていることは確かだ。




叶わない恋だとして、恋することに無駄はない。





そして涼子の中に確かに真は存在している。神様より信じたくなる存在……