思い出せる保証はないけど...


どうしてもこの場所が頭をかすめていた


ねえ!!


誰か居ないの!?


なんて、心で叫んだ


...誰も居ないか...


『戻って来たのか?』


「えっ!?」


誰かの声が聞こえた


男の子の声


どこかで聞いたことのある声


周りを見渡してもあたししか居ない


『俺に用があって来たんだろ?』


「ねえ、教えて!!あたし、ここに誰かと来なかった!?」


『...なんだ、記憶がないのか?』


「なんの記憶!?教えてよ!!あなたが知ってること全部!!」


相手が居ないのは分かってる


もしかしたら霊なのかもしれない


でもそれでもいい


あたしの記憶が正しいことを知りたい


『お前、実桜だろ?』


「そうだよ!!実桜だよ!」


この人が何かを教えてくれれば...


この人があたしに何か伝えてくれれば...


小さな突破口が欲しいの


「お願い!!教えて!!」


空に向かって叫んだ