なかなか食べ始めないあたしを不審に思ったのか、美樹が


「どうかした?」


と、心配そうに聞いてきた。
「なんでもない」っていったけど、しつこく聞いてくるから正直に話すことにした。


「・・・・・また、あの夢みちゃった。」
「あの夢って、『鈴音』って呼ぶ声のこと?」
「うん・・・・・・」



夢のことは、美樹以外には誰にも言っていない。

信じてもらえるかどうかわからなかったから。

けど、美樹は話してみたらすごい相談に乗ってくれた。



それからはずっと悩みは隠さず話すようにしてる。


「変だよねぇ。何回も同じ夢みるんでしょ?」
「あたし、『鈴音』って名前じゃないのに・・・・・・」
「だれなんだろーね???」


だらだらと夢の話をしてたら、あっという間に昼休みが終わってしまった。


せめて、誰なのか分かれば楽なのに。


その後の授業も頭に入ってこなくて、散々だった。