急いで制服に着替えて、身だしなみを整えた後、歯を磨いて出発した。

「いってきまーす!!!」

家を出るときにお母さんが「牛乳くらい飲みなさい!!」って言ってるのが聞こえたけど、無視。


高校生活が始まって早々遅刻して印象を悪くするか、少しお腹が鳴るかを天秤に掛けたら、絶対朝食捨てる人のほうが、半分以上いるでしょ。



急がないと、遅刻するかも・・・・・



早歩きで歩いてたら、後ろから、


「かえでぇーーー!!!」


叫び声が聞こえて思わず足をとめた。
隣に自転車が止まる。



「あ、祐樹かぁ。おはよ」
「おー。お前、今日遅いな。」



背がすらっと高い祐樹は、幼馴染で幼稚園からずっと一緒。
腐れ縁って言った方がいいのかな?


親同士が仲が良くて、家族ぐるみで食事に行ったりもしてる。


いつもならおしゃべりするけど、今日はそんな余裕がない。
無言でさっさと歩いてたら、祐樹が自転車から降りて一緒に歩き始めた。



「遅刻かもしれないから、さきに行っていいよ」っていったけど、無視された。