その後、ずっと授業なんて上の空で教科書なんて開かないでノートも取らなかった。
もちろん無崎くんとは目を合わせていないし無崎くんを見たら涙がとまらなくなるから。
それに私ことはもう見てくれない。
一緒に話すこともできない。
無崎くんを見なくても昼休み友達と楽しそうに話している声が聞こえてくる。
もう気にしちゃいけないのに。
無崎くんが笑いかけてくれることなんてないのに。
「虚しいバカみたい…」と一人呟いていたらあっという間に放課後になった。
「もう放課後なんだ…」
(今日は早く帰ろう)
(こんな気持ち嫌だ)
早く一人になりたかった私は紗耶香に駆け寄り「ごめん。今日先に帰る…」と申し訳なさそうに言った。
そんな元気のない私に気がついたのか紗耶香は「わかった…メール待ってるね♪」と明るく言ったくれた。
私はただ頷いて早く無崎くんのいる教室から立ち去りたくて急いで昇降口に向かった。