そして無崎くんを思い出して過ごしていたら気がついたらあっという間に放課後になっていた。
「はぁ~もう放課後か」
今日1日中、無崎くんのことどれだけ思い出して涙を我慢して耐え続けていたのだろう。
「桃!じゃあ行こーか☆」と紗耶香が放課後、私を誘いに来た。
でも私の目は涙目になってうるうる状態だった。
それに気がついた紗耶香は「桃!どうしたの?」と言った。
でも、これ以上、心配をかけたくなくて「ごめんね。なんでもない」と言った。
「でも桃やっぱり…」きっと紗耶香は全てわかっていて私がまだ無崎くんのことを好きで思い出していたこと言いたいだと思う。
でも紗耶香ごめんね。
今その名前を聞くのは辛いから。
だから私は紗耶香の言いたいことがわかって見えついた嘘をついた。
「ごめんね。なんか昨日、久しぶりに夜中までアニメ観てたから眠くなっちゃた」
「桃…」
「さぁ!行こうか」
「相手待たせたら悪いし」
紗耶香は優しくて人の気持ちがわかる子だから私の強がりをわかっていても「そうだね!じゃあ行こう」と流してくれた。