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せっかく楽しい学校生活を送り、友達もたくさんできたのに。また私は友達を失うことになった。




母から引越しの話を聞かされてどれくらいたったか。


自分がいつ友達に引越しを打ち明けたかも覚えていないが、


いつの間にか友達は、

クッキーの箱中に手紙や
プロフィール帳や
小さい玩具なんかを詰めて、


学校最後の日に渡してくれた。


「電話するよ!」
「手紙書くからね!」
「翔ちゃん元気でね...」


涙が溢れた。


友達が肩を抱いてくれて、


昇降口までおくってくれた。


私は、くちゃくちゃの顔になりながら、

クッキーの箱を抱きしめた。


小学校3年の春だった。