「……私は」


「楠、那奈と言います」


私はもう、クスノキ。


クスノキナナとして

生きていくんだね…


「どういうつもりですか?」


兄となる人が母を睨んだ

いや、単に目を細めただけかもしれない


「……どうって?」


「結婚、だなんて」


あなたの気がしれません。

兄となる人は吐くように言った