「那奈」


お母さんが私を止めた。


私は、まさか自分が止められるとは思ってなかった。


「確かに、私はおかしい選択をしたかもしれない」


母は男を見据える


「でも間違いだとは思ってない、正しいと思ってる」

母がその言葉を言い終えると、豪雨がやみ始めた


「そうですか」


男は私達に背を向けた

「家にご案内します」


どうにも、私はこの人を好きになれそうにない