「・・・11、12、13。
結構慕われてんだね。」



安藤君は回収した誓約書を数え、僕は名簿にチェックをしていく。



「1、2年にはいないのかな?」

「20人ぐらいなら。」

「・・・ッチ。
これ渡しとくから、
書いてもらってね。」

「お前舌打ちしただろ。」

「黒田君、次行こっか。」

「は、はいっ。」

「シカトかよ・・・。」




安藤君は用事が済んだら、さっさと1組を出て行った。

僕も後を追うよう1組を出て行く。




「そういえば、榊君
居なかったな。」




安藤君は思い出したように言った。

間宮君のことですっかり、榊君のことは忘れていた。




「多分、そこら辺に
いると思いますよ。」




安藤君は急に立ち止まり、僕の方を見た。




「黒田君って、実は
見た目だけ優等生でしょ?」

「…どうでしょうね。」




 上手くはぐらかせたかな?
 


僕は曖昧に答えた。

そしたら安藤君は意味ありげにニコッと笑った。


ドキッとしたことはばれていないようだった。