「間宮君は書いてくれるそうです。」
イケメン君は間宮の腕を掴んで、上に挙げた。
「はっ!?
俺、書くって一言も…イテテテテッ!」
間宮は痛そうに顔を歪めた。
間宮が負けてる…
あたしは間宮が痛がる姿を初めてみた。
間宮だって一応No.10だ。
No.10でも、この学校ではそれなりに強い。
その間宮が…。
強くて、イケメン…
最高すぎる…!!
これ以上の大物はなかなかいないだろう。
あたしは完全に狙いを定めた。
「矢野ちゃん矢野ちゃん。
あたし決めたよ。」
「んっ?」
「イテェーつうの!
書くから、書くから
その手を離せ!!」
「よろしくね、間宮君。」
イケメン君は間宮に紙を渡す。
間宮はバッと紙を取った。
「みんなも書いてくれるよね?」
その言葉には威圧感が加わった。
クラスの奴らの3分1、間宮の下僕の奴らが紙をイケメン君から貰っていった。
「矢野ちゃん、あたし…
イケメン君落としてみせる!」
「うん。がんばって。」
矢野ちゃんは少々あきれ気味。
こういうパターンは10回ほど繰り返してきたからね。
今のところ全戦全勝。
記録更新してやる!
意気消沈のクラスの奴らの中、あたし1人メラメラと燃えていた。