えっ、何これ……
僕は自分の目を疑った。
目の前には信じられない光景が広がっていたからだ。
「黒田、これどういうことだよ!」
校庭にただ1人立ちすくむ僕に、たった今学校に来た松木君が話しかけてきた。
周りを見ると、みんな口をあんぐりと開け、呆然と校舎を見ていた。
「僕にも分かりませんよ。」
校舎が1日で新品同様になった理由なんて知る由もなかった。
1日で校舎の壁を塗り替え、1日で窓ガラス全てを直すことなんて出来るわけがない。
いや、1人いる。
こんなことが出来るのは……
「安藤君!」
僕は生徒会室の戸を勢いよく開けたが、生徒会室には誰もいなかった。
「カッコつけたのにな。」
「……」
松木君は僕をニヤニヤと見ていた。
……仕切り直して。
「安藤君!」
「おー、おはよー黒田君に松木君。」
今度はちゃんと安藤君はいた。