「……冷てー!!!!!」



きっと、蛇穴君の声は学校中に響き渡ったと思う。

蛇穴君は小刻みに震えだした。



「やっぱり落ちねえな。」

「すぐ落とさなかったからね。」



震えている蛇穴君を目の前に、松木君と安藤君は淡々と話をしていた。



「松木…心の準備ってもんがあるだろ!」

「蛇穴君!覚悟してね。」

「はっ?どういう…って、それは…」

「バリカン。」



安藤君は笑顔で答えた。

確かに安藤君の手には、どこから持ってきたのか分からないバリカンが……。

蛇穴君の顔は一気に青ざめていく。



「安藤、まさか……」

「髪についたペンキは
どうしようもないから、ねっ?」

「いやいやいや、もっと他にも……」



“ウッウィーン”



安藤君はバリカンのスイッチを入れ、蛇穴君に近づいていく。

蛇穴君は安藤君が近づいてくる度に後ろに後退りをする。



「覚悟しろっ!!」

「なっ…!!松木!」



松木君は蛇穴君の肩をしっかりと掴まえた。

蛇穴君はじたばたするが逃げられない。

そして、だんだんと近づいてくるバリカン。






「ギャーーーーーーーーーー!!!!」