「それにしても驚いたよ。」
安藤君はジッと僕の方を見ながら言った。
「どうして優等生の振りしてたわけ?」
「そっそれは…」
僕は言葉に詰まる。
こんな理由を言っていいものか。
安藤君はきっとすごい理由だと思っているんだと思う。
だって、僕を見る目がキラキラしているから。
「…普通の生活をしたかったから。」
「えっ?」
「だから!」
恥ずかしいんだから2回も言わせないでほしい。
「ただ普通の学校生活を
送ってみたかっただけ。
みんなとワイワイして部活に励んで…。」
今までサボっていた学校生活を送りたかった。
けど、僕が入れる高校と言えば、こういう高校しかなくて。
そして、中学が同じ奴がいない高校はここしかなくて。
結局、不良の集まりのここの高校に入るしかなかった。