“ゴンッ”



何か鈍い音がした。

俺は隙をつかれ、後ろから何か重い物で殴られた。

そのまま地面に膝をついた。



「お前もこれで終わりだな…!」



かすかに開く目で見たのは、鉄パイプを振りかざしたリーダー。


 さすがの俺でも、もう無理かな。




“パシッ”



一瞬、目を疑った。

だって目の前に現れたのは、黒田君だったから。




* * *



「クソッ…このっ…!?」



一之瀬君が安藤君のことを、鉄パイプで殴ろうとした時。

僕は、安藤君に当たってしまう前に、鉄パイプを片手で掴んだ。

ジーンと手がしびれる。

一之瀬君は鉄パイプを動かそうとするが、僕の力の方が強く全く動かない。


安藤君も一之瀬君も他の人も、みんな驚いていた。


 そりゃ、こんな僕が
 こんなこと出来てるからね…



「お前なめんなよっ…!」



一之瀬君が鉄パイプから手を離し、僕に素手で立ち向かってきた。

僕は鉄パイプを捨て、



「……グハッ!!」



腹に一発拳を入れ一之瀬君は地面に倒れてくのと同時に、僕の眼鏡も地面に落ちてった。



「…この野郎っ!!」



動ける子分たちが僕に一斉に殴りかかってきた。

僕は20人ぐらいの子分たちを1人で相手した。

安藤君はただ座って、呆然と目の前に繰り広げられる光景を見ているだけだった。