ずっとそばにいる。～例え悲しみの先でも～

２０１０～４月～

桜が舞い散る季節。



「行ってきまーす。」


「いってらっしゃい。あ、スピーチ、頑張るのよ。」


「わかってる。じゃあね。」


そう。今日は聖柳学園の入学式。


成績TOPで入試に合格したあたしは大舞台で新入生代表のスピーチをすることになった。


「緊張するなぁ。」




だってこの日のために髪の毛まで染めたんだもん。




待ちに待った女子高生。



かっこいい彼氏だってほしい。



可愛い友達だってほしい。





とにかく今は、なんでも欲しい。


嬉しくて次第に足早になってて…



ついに



「聖柳学園…だ。」



新嶋真凛（にいじま　まりん）。

今日、高校デビューです。

永遠SIDE~

「ふぁ～、ねみぃ。」

大あくびとともに重たい体を起こす。


「うわっ！やっべぇ！」


やっちまった。

入学早々遅刻なんてありえねぇ。


あのくそばばぁ…


「おいっ！なんで起こしてくんねぇんだよ！」


せっせと朝メシくってやがるぜ…。


いい度胸だ。



「何言ってんのよ。起こしたわよ。あんたが起きなかっただけなんだから、文句言わずにはやくご飯食べてとっとと行きなさい。」



とっととって…。

何様のつもりだ？


「ほら早くしなさい。」


くそぉ。


いつもならキレるシーンだが今回はやめておく。



「くっそぉ。マジ時間ねぇよ。」



こんな時に限って手が絡まる。


「おいおい、マジかよ・・・。」



「よっと…。よっしゃ完璧！行ってきまぁす」


「おとなしくしておきなさいよ。」



わかってるっつうの。




てか、入学初日に暴れるヤツなんていねぇだろ。



どんだけ心臓強ぇんだよ。




「…間にあった。」


聖柳学園。


今日からここが俺の学園だぜ！