今思うと、もうこのときから゛恋″は始まっていたのかもしれない…。



「……。そっ、か…」



透夜のはその一言しか言えなかった。



「(あいつらが言ってたことってこういうことか…。

そして俺が感じてたのもこれか)」



透夜が感じていたもの…、それは…。


夢鈴と自分たちの間には壁があること。


何故かあまり人に近付かず、逆に避け、恐れている気がしていたこと。


そして…、そして自分の殻に閉じ籠(こ)もり、

誰にも本心を見せずにいるような気がしていたこと。


その理由(わけ)が透夜にはようやくわかったのだ。



「本当…、今日はごめんね。…送ってくれてありがとう」