それを先に破ったのは夢鈴の方だった。



「ごめんね、透夜。ビックリした…よね?」


「えっ、あっ、いや…」


「私ね、実は病気…抱えてるの」



少しずつ語り始めた夢鈴。


それを透夜はただ黙って聞いていた。



「もうずっと…小さい頃から。中学生の頃、1回手術もしてるの。

でも、また悪化するかわからないんだって。

その日…からかな。由茉と勇矢が気を遣って朝、毎朝迎えに来るようになったの。

帰りもそう…。友達も…先生も…、みんなが変わったのよ」


まだ、全てを話すことは出来なかった…。


だけど、自分からこのこと話すのは透夜が始めてだった。