一瞬の沈黙の後、教室に笑いが広がる。 「矢川 、よく言った!」 「やべぇ、………笑いがとまんねぇ!」 あひゃひゃひゃと笑うクラスメートを尻目に尚も華鈴は続ける。 「朝っぱらから凪のこと追いかけ回して……お前ら受験生に女追いかけてる時間なんてあんのかよ」 「ちょっと…華鈴!」 わなわなと震え出した先輩達を見て袖を引っ張るが、目を見た瞬間止めるのを諦める。 (この目はキレてる…)