お、落ち着け。
平常心、平常心……。



「あっそうそう。ご飯食べ終わってから渡そうと思ってたんだけど……」


話を変えるのに必死な私はクッキーを取り出した。
もうちょっと後になってからにしようと思ったけど、
ドキドキが治りそうにもないんだもん。


「昨日のお詫びとお礼。ジュース、奢ってもらっちゃったから」


一応、今日の早朝に焼いてきて味見もしたから多分大丈夫なハズ……!


「本当に?ありがとうっっ!」


和泉君は目を輝かせて、少年のように笑って受け取ってくれた。

ドキッ



……あれ?


話を逸らしたつもりが、また……ドキドキしてきちゃった。