部屋をぐるりと見渡してからゆっくりと部屋を出た。




広すぎる家は日本に居るときよりも広い。




この家に思い出なんかなかった。



けどいざ離れるとなると‥‥すこし寂しいな。






「行くかっ‥‥!」





やけに寂しく響いた声




バンッとしまる玄関の扉




久々に出る外の光は眩しくて、目がくらむ。




少しだけ早足でバス停に向かった。