困ってる私を横目に、お兄ちゃんはクスクスと笑ってる。
もう‥‥///
やっぱ女の子扱い慣れてる、ね‥‥。
「なぁ」
さっきまで笑ってたのになにその真剣な顔わっ!!
「な、に」
「俺たちさ‥‥‥」
小さな間があいた。
夕暮れに鳴く蝉の声と
河原で鳴く虫の声だけが聞こえて、
「なんで兄妹なんだろうな‥」
ザッとざわめく風と草木が揺れる音と一緒に私の心も揺れる。
なんで‥‥って?
自分でも分からない感情が、身体中を巡る。
暑いのに鳥肌がたった。
「なんて‥な」
そう言ったお兄ちゃんの目は
悲しそうで
儚げで
悔しそうで
でも口角だけは
ちょっとだけ上がってて
繋がれてた手もまだ繋いだままだった。