「引っ越したんだよ」






窓の方を見ながら言う




その瞳と声は


どこか切なくて

悲しかった。





「そっか…」





私はそれ以上

聞けなかった。



聞いちゃいけない

そんな気がしたから





言いたいことは

たくさんあった





なんで金髪なの??

とか

真、変わったね

とか‥‥




けど‥

聞けない。







この数年間


真に何があったんだろう





「真、あのさ」




「ん?」





「8時までには帰りたいんだけど‥‥」