11月の駅伝予選会で、ひょっこりと大地と再会した。
「ミクちゃんでしょ」
と隣に立っていた人に声をかけられ、「え?」と上を向くと、そこに大地の顔があった。
「うわー。信じられない」
「どうして?」
「だって、また北小路さんに会えるなんて」
「大地、でいいよ」
私たちは路上で応援する群衆の一部だった。
大地は、陸上名門校にいるので、この予選会は突破できると思われたが、うちの高校はふつうの公立高校なので、とても勝ち目はなかった。
今日の大地は、選手ではないので、ジャージの上に厚いオーバーコートを着ていた。
こんな、大地もいいなと、わたしは彼の上背を見上げていた。
「うちの高校、いま何位なのかもわからないよ」
と私は、話を続けるために言った。
「北高だっけ? まあね。駅伝は人数がそろわないと、しんどいからね」
なんだか、心がぽかぽかしてくる。
なんの期待だかわからないけれど、なにかが起こりそうで、私の胸はあったかい日に照らされていた。
「ミクちゃんでしょ」
と隣に立っていた人に声をかけられ、「え?」と上を向くと、そこに大地の顔があった。
「うわー。信じられない」
「どうして?」
「だって、また北小路さんに会えるなんて」
「大地、でいいよ」
私たちは路上で応援する群衆の一部だった。
大地は、陸上名門校にいるので、この予選会は突破できると思われたが、うちの高校はふつうの公立高校なので、とても勝ち目はなかった。
今日の大地は、選手ではないので、ジャージの上に厚いオーバーコートを着ていた。
こんな、大地もいいなと、わたしは彼の上背を見上げていた。
「うちの高校、いま何位なのかもわからないよ」
と私は、話を続けるために言った。
「北高だっけ? まあね。駅伝は人数がそろわないと、しんどいからね」
なんだか、心がぽかぽかしてくる。
なんの期待だかわからないけれど、なにかが起こりそうで、私の胸はあったかい日に照らされていた。