「!…べつに、なにもないよ。じゃ」


私は、シマから逃れるように、自分の席へ戻っていった。


なんだか、自分1人で、空回りしているみたい。
大地のことも、シマのことも。


それにしても、現彼氏の大地のことは、このまま放っておくわけにはいかなかった。
私は、彼にメールした。


『昨日、寮に電話したんだよ☆ 大地、いないって言われたけど、どこに行ってたの?』


そのとき、2時間目のチャイムが鳴ったので、私はメールが入ったらすぐわかるように、ケータイをジーンズの中に入れておいた。


でも、当然という感じで、やっぱり大地からは連絡が来なかった。
昼休みの時間になっても、来なかった。


私は、もしかしたら、寮に電話したことで、大地が怒ってるんじゃないかと、気になり始めた。


「…ミク、全然、人の話聞いてないねー」


エリが、また肉団子をフォークに刺して言った。
彼女って、重要なことを言うときに、いつも肉団子を食べている。


そして、私はといえば、一つのことが気になると、そればかり考えてしまう癖があるのだった。