翌朝、私は、電話に出ない大地のことを考えながら、登校した。


酔った勢いで、寮にまで電話しちゃったけど、ケータイで出ないんだから仕方ないじゃない…。


私は、自分に言い訳していた。


「おはよ、ミク」とエリが近づいてきた。

「おはよ、エリ。昨日はごめんね。ありがと」

「私はいいけどさ。シマに謝っときなよ」

「あ…、うん」


正直言って、私は危うく、昨日エリに言われたことを忘れるところだった。
私は、昨日、シマにも迷惑をかけたのだ。


「別れたばかりで話しづらい?」

「ん…。そうね、やっぱ」

「でも、シマは最近、F組の坂井さんと付き合ってるって噂だよ」

「ホント?!」

「早いよねー。彼も。まあ、ミクの方からふったんだから、ミクはどってことないよね」

「それはまあ、そうだけど」


でも、私は内心、驚いていた。
あのシマが、私じゃない、他の女子にもう気を取られているなんて。