「新しくできたショッピングモールを見に行こう」
駅伝予選会から1週間後、ようやく大地からの誘いが来た。
あれ?寮の近くの紅葉じゃなかったの?
私は一瞬思ったが、べつにどっちでもかまわなかった。
大地と一緒なら、どこだっていい。
「《△△ガーデン》って、知ってるよね?」
と彼は、電話で私に話す。
私は、少しはっとした。
そこは、右翼部分と左翼部分に分かれていて、今回できたのは、その左翼部分なのだ。
「うん、知ってる…。右翼部分なら、行ったことがあるよ」
「そっか。だいたい、同じようなものらしいけどね。俺、新しいものができると、すぐ見たくなるのよ」
「へえ。私はそういう人に連れて行かれるタイプだな。自分で行くよりも」
「じゃあ、よかった。ミクを誘って」
「うん。でもじゃあ、紅葉はどうなるのかな?」
「紅葉?」
「見に行こうって言ってくれたでしょ?寮の近くの」
「ああ。そう。うん。それはまた今度ね」
「うん!」
私は、その右翼部分に、シマと一緒に行ったことを、速攻忘れて、元気よく返事した。
「また今度」って、嬉しい言葉だ。
これで、大地と少なくとも2回は、カップルのように一緒に歩ける。
私は、ベンチやなんかに座る2人が、夕陽とともに染まっていき、やがてどちらともなく見つめあい……という、ものすごい想像力を働かせて、「ギャー!!」とクマのえっちゃん(←なぜかそういう名前なのだ)にボカスカあたっていた。
アホだ……。ほんとうに、私は想像力100%のアホなのだ。
現実は、ラブソングの歌詞とは違うのに。
駅伝予選会から1週間後、ようやく大地からの誘いが来た。
あれ?寮の近くの紅葉じゃなかったの?
私は一瞬思ったが、べつにどっちでもかまわなかった。
大地と一緒なら、どこだっていい。
「《△△ガーデン》って、知ってるよね?」
と彼は、電話で私に話す。
私は、少しはっとした。
そこは、右翼部分と左翼部分に分かれていて、今回できたのは、その左翼部分なのだ。
「うん、知ってる…。右翼部分なら、行ったことがあるよ」
「そっか。だいたい、同じようなものらしいけどね。俺、新しいものができると、すぐ見たくなるのよ」
「へえ。私はそういう人に連れて行かれるタイプだな。自分で行くよりも」
「じゃあ、よかった。ミクを誘って」
「うん。でもじゃあ、紅葉はどうなるのかな?」
「紅葉?」
「見に行こうって言ってくれたでしょ?寮の近くの」
「ああ。そう。うん。それはまた今度ね」
「うん!」
私は、その右翼部分に、シマと一緒に行ったことを、速攻忘れて、元気よく返事した。
「また今度」って、嬉しい言葉だ。
これで、大地と少なくとも2回は、カップルのように一緒に歩ける。
私は、ベンチやなんかに座る2人が、夕陽とともに染まっていき、やがてどちらともなく見つめあい……という、ものすごい想像力を働かせて、「ギャー!!」とクマのえっちゃん(←なぜかそういう名前なのだ)にボカスカあたっていた。
アホだ……。ほんとうに、私は想像力100%のアホなのだ。
現実は、ラブソングの歌詞とは違うのに。