私が玄関を開けた瞬間現れた男は、長身で赤髪で汗だくになりながら、いきなりペラペラと話だした。
こんな馬鹿げた友達がいたのかと思ったけど、彼の友達や知り合いに会うのはこいつが初めてで、もしかしたらこんな奴ばっかりなのかと彼を疑ってしまう。


「ここでまってていい?」


「あと6時間は帰らないよ。」


「大丈夫!」


「じゃあ、どーぞ。」


彼はがつがつと部屋に入り込み「ひろいな~超金持ちじゃん!」とか「クーラーは涼しいや」とかやっぱり馬鹿げた言葉しか発さない。

「なんかのみます?」

「お茶ある?」