「あたしはその歌が大っ嫌いなんです」 「智子さん」 智子の、大きく震わせる肩に、あずみは宥めるように手を乗せた。 「あたしはどんな姿でも大成さんには生きて帰って来て欲しかった。なのに、初めから死にに行くなんて歌は聞きたくない!」 智子の叫びが突き抜けた空に、薄い雲が流れてく。