あずみの横で、淡々と当り前のように話しながら汗を流す智子を見やると、ふと、疑問が湧き上がった。 智子を自殺するまでに追い詰めたものは何か、と言う事だ。 簡単に考えれば、こんな時代が嫌で自殺しようとしたとも思えるが、これだけ頑張っている人が、そんな事を安易に思うだろうかと考える。 智子のような人なら、まずこんな戦争が終わるまで生き抜いてやる、と思ってくれるのではないかとあずみは感じたからだ。