「でも結構楽しいよ、こんな世の中、他にやる事ないし、配給に頼ってばかりじゃ食べていけないし……今日中にしてしまわないと、明日からまた仕事だし」 「え? 智子さん、仕事に行ってるの?」 思わずあずみは手を止めた。 「ええ、町外れの工場に」 「工場って、何を作ってるの? でも学校は……」 「あたしの通ってる学校の校舎は軍需生産工場になってね、航空機部品を生産してるの……」