実際、昨日プレゼントを受け取らなかったのは、穂高の気持ちを察して避けた為ではないのだろうか、という曲った思いさえ浮かぶほどだった。

 声をかけようにも、あずみは友達といる事が多く、穂高を避けているようにも見えたからだ。

 いつもなら弁当を持ってくるあずみが、今日は持って来なかった。

 あずみの涙を見たにもかかわらず、一瞥の不安が過るのも当たり前だった。