「あずみと同じ中学だろ、とか、彼氏とかいるのか……とか色々さ」

 指折り思い出すように言った高志が、ふと穂高を見ると、明らかに表情に曇りがさしているのが解った。


――そんなにモテるのか、あずみのやつ。


 穂高は焦りに似た感情を湧かせていた。

 自分の世話を焼いてくれるからと言って、近くにいるからと言って、それが好意に繋がる自信はなかった。