「俺、何でもねぇから……ちょっと親にムカついただけっつうか」

 ぼそりと高志が呟いた。

「親か……あんな明るい親父にでもムカつくんだな。結構、俺から見たら羨ましい親だぜ」

「明るいっつうか、ウザくね? しかも自分の親じゃないからそう言えるんだよ。都合のいい事ばっか言うって言うかさ」